第2章

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高鳴る心臓はドクドクとフルスピードで鼓動を奏で 呼吸困難に陥るんじゃないかと思うほど酸素が足りない。 吸っても吸ってもうまく取り込めないソレを 水面で餌を強請る鯉のように パクパクと口だけを開けている。 締まりのない端からは止めどなく流れる滴。 それよりもハシタナイく飛び散るモノが 志伸さんの下腹部を光らせる。 だけど なんて酷い事を言うの? あたしをもっと煽る為? そんな事を言うのに擽るところはドンピシャで 一層激しく撒き散らすハメになる。 「ん、ヤァァァァァ」 何処にも行かないし そんなお友達なんていないし だから 「……お願い、おねがい、シマス……」 見上げたソコに刺すような視線をあたしによこす 壮絶なほどの色を備えた志伸さんに 懇願する。 自分から成り下がるんだ。
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