第2章

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沈黙が続くのは別に嫌じゃない。 この間じゅう お互いの視線はブレルことなく 相手に注がれていて なんていうか、意志の確認中? みたいな。 「もうすぐ父が帰国するんだ、一度会ってみて?」 「あたし?」 「うん、咲良以外に誰がいるの」 「さあ」 「父は物書きなんだ」 「へぇ」 「きっと楽しい話が出来ると思うよ」 別に興味はなかった。 青木君のお父さんがどんな人かなんて。 右手を取られて それがジワジワと上の方へ上がってくる。 二の腕を掴まれて 彼が、身体を寄せた。 「好きだよ」 まるで自分に暗示をかけているみたいに あたしにではなく、青木君自身にそう告げているみたい。 唇が重なるその瞬間まで瞼を落とさずに 落ち着いた彼の瞳を見続けた。
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