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笑うと可愛いのね、とお母さんが言った。
青木君は長居をせずに帰っていき
また、好印象を植え付けていく。
「青木君さ、モテる人なんだよね」
「だろうね」
「あたし、興味ないけど」
「ふぅん」
リンゴを剥いてくれたお母さんが
あたしの前にお皿を置いてくれた。
シャリシャリの食感が歯に響くのが心地いい。
「華、体調、大丈夫そうね。
よかった、今朝は何事かと思ったから……」
額に手を当てて
熱の有無を確認する所作。
「ん?でも、熱、あるのかな?
ちょっと微熱っぽい?」
体温計を直ぐ様持ち出し
ケースから出してあたしに手渡す。
ピピっ、と鳴って知らせたのは
思いの外高い数字。
「あらあら、華ちゃん、やっぱり風邪のはしりかな?
もう、寝てなさい」
どうしたんだろう、別にダルくもなんともないのに。
お母さんに心配をかけている罪悪感の元が元だけに
言われた通りに部屋に戻り
マットの上に横になった。
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