第2章

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目が覚めたのは、もう真夜中過ぎだった。 ご飯も食べないで寝ちゃったんだ、と思って だけど、あまり空いてないお腹。 額に手をあてると、平熱そのものだと、思うくらいに冷たくて 寝汗が酷いことに気付いてお風呂場へと向かう。 だから、真夜中過ぎなんだってば。 誰、こんな時間に。 シャワーの流れる音。 カゴに入っているのは どうみても志伸さんのモノ。 どうして、平日に志伸さんが…………。 キュ、と捻られたシャワー。 あたしは大胆だ。 そこに踏み込んで行くんだから。 「華」 流石に驚いたらしい志伸さんが声をあげた。 「平日なのに、なんでいるの??」 シャワーの飛沫が飛び散るなか、あたしは志伸さんに近づいてゆく。 首に回した腕。 密着する身体。 そして、重なる視線。 一昨日、無責任にもナカに放り出されたところなのに まだ、彼に擦り寄るのか。 あたしの身体も、心も 志伸さんに向いていたのは、確か。 この時は…………
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