プロローグ

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部屋を出て 階段を降りて 食堂がある1階へと向かう。 1階へと降りる途中で 美味しそうな匂いがする。 「今日の朝食は何かしら?」 ここの下宿では 朝・昼・晩の3食を 提供してくれる。 平日には お弁当を作って くれるという アットホーム感に 私は当初、驚いた。 でもそれは、 大家さんの優しさだと 私は思う。 朝早くに起きて 私達の朝食とお弁当を ほぼ毎日作ることは とても大変な事だ。 そんな大家さんの優しさを 踏みにじる事のないように、 私達は少しでも 大家さんのお手伝いを することも考えている。 それが、私達に できる事だから。 そんな事を考えていると 食堂がある1階に着いた。 私は食堂がある扉を開く。 そこには 長く腰まである黒髪に 青色を中心とした洋服を着て エプロンをしている女性が 料理をしていた。 この人こそが 私達の下宿の大家さんの リツさんである。 そんなリツさんに声を掛ける。 「おはようございます、リツさん!」 『おはようございます、蓮さん。今日も早起きですね!』 リツさんは 声を掛けると 料理の手を止めて 必ず振り向いて 笑顔で答えてくれる。 そんなリツさんは 私達4人の母親的な存在だ。
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