プロローグ

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そんなリツさんは 時計を見て私に話し掛ける。 『ご飯が完成するまであともう少しかかるので、申し訳ないのですが、他の皆を起こしてきていただけますか?』 「もちろんですよ!」 毎朝、すみませんと リツさんは一言加える。 実は、この下宿の中で 起きるのが早いのはリツさんで、 次はわたしなのだ。 そのため、 私は他の下宿仲間を 起こすのが毎日の日課である。 そんな話をして 食堂を後にしようと席を立つと、 食堂の扉が開く。 そこには 長い黒髪を下ろした 高校生にしては小さい 女の子が立っていた。 「おはよう、春恵。今日も早起きね」 「…おはよう…でも蓮のがいつも早起きだよ…」 と、春恵は笑顔で言う。 この子の名前は 桜井春恵(サクライ ハルエ)。 ゆっくりとした話し方は 本人の性格を表していて、 穏やかでのんびりとした 可愛い女の子だ。 ちなみに身長は 145cmあるか分からないという 少々小さめの女の子だ。 とりあえず、 今から私達以外の2人を 起こしに行かなければいけないので 春恵も誘おうと思う。 「今から他の2人を起こしに行くんだけど、一緒に来てくれるかしら?」 「…もちろん…じゃあ行こう…」 「えぇ!」 春恵の了承を得て、 私達2人は食堂を出て 階段を上がる。
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