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そんな梨香先輩の
部屋を私達は後にした。
部屋を爆破させた
梨香先輩には、のちほど
リツさんのお説教が
待っているだろう。
その旨を伝えると
梨香先輩は泣きそうな顔をして
「それだけはやめて!」
と、懇願されたが
下宿中に響き渡った
あの轟音を誤魔化すのは
無理がある。いや、無理だ。
自分の行動に
責任をもってもらおう。
そんなことを
思いながら私達は
最後の1人の部屋の前に来た。
最後の1人は
梨香先輩の
隣の部屋にいる
女の子なんだけど…
「さすがに、あの爆発音で起きたでしょう」
「…うん…あの音はスゴかったもん…さすがに起きてるよ…」
下宿内に響き渡った轟音。
その発信源の隣の部屋で
眠る少女もさすがに起きただろうと
私達は部屋の扉を開く。
「……むぅん…またケンカしてきたのぉ~…むにゃむにゃ…」
「…………」
「…信じられない…」
その部屋の中に
寝言を言いながら
安らかに、そして笑いながら
ベッドの上で眠る少女がいた。
しかも、
部屋中のカーテンは
すべて全開にしてあり
太陽の光が部屋の中に
差し込んでいる。
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