プロローグ

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太陽の光が当たり、 白銀に光る白髪に アホ毛が1本立っている。 この少女の名は 片岡渚 (カタオカ ナギサ)。 彼女の髪の色については 詳しい事は聞けなかったが、 生まれつきだということは 彼女本人から聞いた。 その髪は、 1本1本が 絹のように滑らかで とても綺麗だ。 さて、私達は この死んだように眠る 女の子を起こさなければいけない。 「渚、朝よ!起きなさい!」 「…起きて…遅刻しちゃうよ…!」 「…むぅ…あと5分だけぇ~え……」 渚は身を丸めて 布団の中に潜る。 まったく起きようとする 気配が感じられない。 渚は朝に弱い。 いつも私達が来るまで ぐっすりと眠っている。 最後に渚を起こすのが 私達の日課でもある。 そんな渚を 起こす方法を 私は1ヶ月間の 下宿生活で学んだ。 それは… 「いい加減…起きなさーい!!」 「ひゃあっ!!」 かけ布団を 無理矢理、取るという荒業。 少々、強引だと思うけど ここまでしなければ 渚は目を覚まさない。 「…あ!蓮ちゃん、春恵ちゃん、おっはよ~!」 「おはよう渚。いきなりだけど、もう少し早く起きる事は出来ないのかしら?」 「うん、無理☆」 無理☆と、 ウィンクをする渚。 そんな渚の姿は 小悪魔を連想させるが、 実際の渚は小悪魔的な性格ではない。 正直で、曲がったことが 大嫌いな正義感がある女の子だ。
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