出会い

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始まりは大学3年の夏休み。 バイクで事故り、入院していた私。 「今月バイトできねぇなー。 バイクのローンも払えないし、何か売っ て金作るしかないか。」 そう考えた私は、某アプリでいくつか出品することにした。 方法は意外と簡単で、すぐに終わった。 2、3分もしないうちにすぐにコメントが来た。女性からで、 「購入したいと思っています。よろしいですか?それと、相談なのですが、同県内なので私が取りに行こうと思います!なので送料分差し引いて頂くことは可能ですか?」 手間が省けるので助かると思った私はいいですよと返事を送った。 連絡先を交換し、日程と場所を決め、その日は終わった。 数日後、私は無事に退院し、家に向かった。 「約束の日は明日か。準備するか。」 どんな人なんだろうと少し気になったが たいして相手のことは気にしていなかっ た。 翌日になり、待ち合わせ場所に早めに到 着。相手はなかなかこない。 「すみません!迷っちゃいました! もう少し待って下さい。」 と連絡があったので、もう少し待つこと にした。 しばらくして、一台の車がやってきた。 車種を聞いていたので、私はこれだろう と思い、手を挙げた。 車から降りてきたのは、年齢が同じくら いだろうと思われるギャルだった。 当時のことはあまり覚えていないが、 「ギャルかよ。」 と思ったことは覚えている。 「遅れちゃってすみません!かなり待た せちゃいましたよね?」 「いえいえ、大丈夫ですよ!早いとこ済 ませましょう!」 私はそう言って出品したものを渡し、気 をつけて帰って下さいと一言添え、帰路 に着いた。 まさかこの後、この人を巡りたくさんの 修羅場が待ち受けていようとは、この時 の私はこれっぽっちも思っていなかった
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