ラーメン戦記Y-UMA

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「くっ」  安全装置の解除のために竹田が一度銃を放した隙を突いて、骨塚はするりと逃げ出す。 「じゃあな、綿真ちゃん!」 「待ちなさい!」  ばん、ばん、ばん!  逃げる骨塚の背中に続けざまに発砲するが、竹田の銃弾は彼に届くことはなく、――骨塚奉紅は消えた。  そう、これは飢餓という一つの闇の終演。しかし、一方で争いという一つの闇の開幕であった。  自らの暴利のためにY-UMAラーメンを作る者。  人々のためにY-UMAラーメンをふるまう者。  そしてY-UMAラーメンによって破られた秩序を守る者。  この争いの勝者は誰か。その決着がつくには、あるいは、人類が飢餓に悩み始めてからY-UMAを発見するまでと同じほどの時間がかかるかもしれない。
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