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20XX年、スライム状の未確認生物、Y-UMAが発見された。類似の生き物はおらず、宇宙からやってきたエイリアンだ、数十年前の原発事故による放射能の影響で突然変異したクリーチャーだ、様々な憶測が飛び交ったが、この生き物について一つだけわかったことがある。
それは、ラーメンに入れるとめっちゃうまいと言うことである。
そのことがわかると同時にネット上で情報は激しく拡散されたので、最初に入れた馬鹿が誰だなどということはもはやわからない。しかし、その情報に基づきさらに勧められた研究で、Y-UMAの体細胞はラーメンに入れることで複雑な化学反応を起こし、とにかくめちゃくちゃ栄養豊富になることがわかったのだ。
なんだかふわふわした説明になってしまったが、つまり、Y-UMAを入れたラーメンを作ることが出来れば、飢餓から世界を救うことだって出来てしまうのだ。
しかし、Y-UMAはこの間まで未確認だったこともあり、絶対数が少ない。
ラーメン屋のラーメン屋によるラーメン屋のためのY-UMA狩りが今始まる!
「ふう、やっと見つけたぜ、Y-UMAの群生地。ここにいるY-UMAは全員この札幌一星(さっぽろいっせい)様のものだ!」
いかにもチンピラと言った風情の、白いスーツにごついサングラスの男が、怯えるY-UMAに網――いや、縮れ麺を投擲した。
「ヒャッハー! どうだ、札幌ラーメンの縮れ麺は! 逃げられないだろ!」
札幌が高笑いしたその時。突如飛んできた白い閃光によって縮れ麺は粉々に分断された。
「こ、これは豚骨!? 何が起きたんだ!?」
「ふっふっふ、麺が呼ぶ、スープが呼ぶ、悪を倒せと俺を呼ぶ!」
ギターの音色とともに、木陰からラーメン屋の割烹着を身につけたナイスガイが現れた。
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