の、ようなもの

2.どちら

　偽の恋文を送った連中、名前を出す必要もない最低最悪な彼女達三人衆は、学校でも名の通るいじめっ子グループだった。曰く、彼女達に目を付けられたら学校生活は終了する。曰く、それは教師だって例外ではない。実際に新任の先生が彼女達三人衆に悪質かつ大胆な嫌がらせを受けたことで、教壇から去ってしまったということがあった。彼女達三人衆は筋金入りの災厄であり最悪だった。

　三人衆が中島を狙った理由は分からない。特に理由はないのかもしれない。或いはたまたま目があったのかもしれない。廊下ですれ違ったのかもしれない。理由は何であれ、中島俊之は目を付けられてしまった。そして三人衆の悪質な嫌がらせは彼女達の気まぐれによってでしか、終わらない。

　最終的に三人衆の嫌がらせは終わった。強制的に終了した。クラス中に、学校中に笑い者のレッテルを張られ、数々の辱めを受け、教師達からも見放された彼は、唯一のいじめを終わらせる方法を使った。

　自分で命を捨てることにしたのだ。

　さあ、どうだろう。これで俺こと語り部の言いたいことが分かっただろうか。分かってくれただろうか。中島俊之は幸せだったのか不幸せだったのか。彼は最終的には死んでしまう。それを分かった上で見てきた場合、彼はどちらが幸せだったのか。