屍師団 -シカバネシダン-

プロローグ

初めてその存在が確認されたのは、JR新宿駅の構内だった。

山手線内回りのホームで電車を待っていた若い女性が、背後から近づいて来た中年男性に噛みつかれる事件が発生。

犯人は駅員によって拘束されたがその直後、被害にあった女性が昏倒――。

一一九番通報を受け、到着した救急隊員が意識を確認しようとしたところ、女性は突然起き上がり救急隊員に襲いかかった。

彼女は駆けつけた警察官により犯人とともに拘束されたが、さらに数分後、襲われた救急隊員も意識を喪失。

この時点で感染症の疑いが考慮され、新宿駅が一時閉鎖されるという事態にまで発展した。