04 実技教練#01

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クボヅカ教官はタカヤの隣に立つノリさんに気がつくと、ツカツカと歩み寄り、鼻と鼻がくっつきそうなほど顔を近づける。 「えっ……な、なに?」 ノリさんが狼狽する。 「どうやらクソの中にクソブタが混じっているようだな。おいクソブタ、名前を言ってみろ」 「えっ……あの……アキヤマ ノリヒロです」 「黙れ! 貴様の名前は今日からクソブタだ!」 訊かれたから名乗っただけなのに、怒鳴りつけられた上、理不尽に命名されてしまった。 「クソブタ! その醜く肥え太った図体は一体、何キロあるか答えてみろ!」 「はっ……えと、九十八キロです」 「よし、今日の訓練は全員グラウンドを九十八周!」 訓練生の間にどよめきが走る。
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