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いやいや、驚愕している場合ではない。
『trick or treat!!お菓子をくれなきゃイタズラするぞ!!』
「せやから、まだ五月やって!」
小人の方も引く気は無いらしい。
なんだかショート漫才のおかげでこの小人に対する驚きは無かった。
このままでは漫才が終わりそうも無かったので、僕が割って入る。
「君が言ってた使いの者?」
『そうです!クラウが行ってきなさいって言われたです!』
クラウというのは名前だろうか、僕達のひざ位の身長に、明るいオレンジ色、少し長めで綺麗なボブの髪型。カボチャを連想させる緑の襟が付いたオレンジ色のワンピース、頭にはハロウィンのジャック・オー・ランタンの髪飾りが付いている。
瞳は大きく、髪の色と同じオレンジ色をしている。見るからに美少女だ。
「で、ここはなんなんや?俺らは元の世界に帰られるんか?」
『ここはGemut(ゲミュート)です!あなたたちが住んでいた世界の人々の【心】で構築されています!あなたたちはクウラたちの長に呼んでもらったです!』
Gemut…?心で構築されてる…?いまいち理解ができないでいると、またクラウが話し出した。
『あなたたちが通ってきた扉はもうないです!せっかく呼んだのに帰られては意味がないので!』
「待って待って!じゃあ僕達は誰かに連れてこられたってこと?」
『さっきからそう言ってるです!』
「ここが【心】で構成されてるってどうゆうことや?」
『この世界はあなたたち、人間、動物、植物、様々な生き物の【忠誠心】【好奇心】【喜怒哀楽】などの【心】で構築されているです!』
「僕達は元の世界に帰られないって事?」
『心配は要りません!この世界の3日があなたたちの世界の約2秒間の速さです!1ヶ月この世界で過ごしてもあなたたちの世界では約1分しか経たない計算になります!』
いやいや、そう言うことじゃ無いんだけど…。
『こんな所で立ち話もなんですから、クラウ達のギルドに案内するです!』
そう言って訳の分からない事がいっぱいだが、僕達はクラウ達のギルドとやらに招かれる事となった。
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