【始まり】

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「危ないっ!」 僕を庇って髪の長い女の子が前に立つ。 それは敵の刃を受け止めるには華奢すぎて、でもその姿は勇敢で。 僕は胸を押されて尻餅をつき、目の前で起こる惨劇を目に焼き付けている。 思うように身体が動かない。敵に怯えているのではない。いつもこうなるのだ。 いつものように敵の刃が女の子を襲う。 刃が肌に触れ、切り裂いて行く。すぐに紅い、紅い色の血が噴き出し、女の子の膝は力を失ってゆく。 そして、彼女は顔だけこちらに振り向き意味が分からない事を言う。 ー私は、ここで待ってるから…
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