7人が本棚に入れています
本棚に追加
「危ないっ!」
僕を庇って髪の長い女の子が前に立つ。
それは敵の刃を受け止めるには華奢すぎて、でもその姿は勇敢で。
僕は胸を押されて尻餅をつき、目の前で起こる惨劇を目に焼き付けている。
思うように身体が動かない。敵に怯えているのではない。いつもこうなるのだ。
いつものように敵の刃が女の子を襲う。
刃が肌に触れ、切り裂いて行く。すぐに紅い、紅い色の血が噴き出し、女の子の膝は力を失ってゆく。
そして、彼女は顔だけこちらに振り向き意味が分からない事を言う。
ー私は、ここで待ってるから…
最初のコメントを投稿しよう!