前進-2

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「広める?あなたと速鷹氏の関係を?」 ………この人……… 頭、良くないのかな? 「そう、私はもう22歳なのよ。今からスタートで芸能界で有名になるには遅すぎるし、 HISEIDOが買収する前の未来化粧品のモデルになるくらいじゃ、浸透しないから」 エレベーターの中で、 過去に私を小馬鹿にしていた表情を包み隠して すがったような目をしてくる高峰真優。 「いきなり、スキャンダルは、どうかな?って思いますよ」 「今に賭けてるのよ、 あなたが受ける取材の時に、何気にHISEIDOの御曹司と私が怪しいとか、ぼやいてくれないかな?」 この人を、知的な美しさで売り出すつもりでいる事務所は、 そんな噂困るとわかっているのに 「先輩を売るようなモデル、信頼されませんから、どうしても広めたいのなら、自分で匿名で売り込んだらどうですか?」 そんな安易な計画に 巻き込まれたくはない。 「じゃ、お疲れさまです」 エレベーターが自分の部屋の階に着き、 一応、軽く会釈して、真優の側から離れた。 真優の睨み付ける視線を感じながら 自分の城に戻る。 『やっと、一人になれた』 つくづく、この業界に、自分は向いて いないと感じる1日だった。 「MIHO 週刊誌にあげられちゃってるよ」
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