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「………週刊誌？」
「″ 週刊 女子現代 ″ 今週号だよ」
翌日、 十代向けの映画の試写会会場へ、マネージャーの角野さんの車で出向いた。
「ほら、これ！」
未来化粧品が このB級映画のスポンサーの一社のためだ。
この日仕事が入ってしまった高峰真優がいなくて、正直ホッとする。
ドキドキしながら
車内でその週刊誌をパラパラとめくると………
【人気モデル潤平(19) に新たな恋人？
新人モデルMIHO(17)と夜のカラオケデート】
先日、
瞳たちと行ったカラオケ店の入り口から、
潤平と二人タクシーに乗るところを
撃写されてしまっていた。
「遊び人やギャルのイメージついたら困るって言っただろ？」
いつもより、怖い口調になった角野さん。
「よりによって、遊び人の潤平………
絶対、遊ばれた女子高生のイメージがついちゃうよ！」
会場についても、
角野さんは機嫌がなおらず、
「もし、週刊誌のこと質問されても答えるんじゃないぞ！」
会場の楽屋に入るまで、私をにらんでた。
『アイドルやタレントじゃないからって、甘く見てた………』
それほど、
週刊誌の記事の内容は悪意に満ちていたからだ。
そこには、
潤平が、人気が落ちてきた元カリスマモデル紅子の腹違いの無才の弟だということ、と
私が長崎の片田舎出身のさえない読者モデルだということ、
おそらく、
【モデル食い】の被害にあったであろう私は、
可愛そうな女子高生だということ、
「………………よかった」
だけど、
整形のことには触れないでいてくれた内容だった。
「MIHOさん、交際は順調ですか？！」
俳優による、試写会挨拶のあとの、
映画感想コメントを求められたあとに、
やっぱり、
記事の事実を訊ねる質問をされた。
「………………………」
………………交際なんかしてないのにな。
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