恋とキズ

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「何度もかけてもらったのに、取れなくてゴメン」 その夜10時過ぎ、 自宅でテスト勉強している時に、やっと潤平から電話がかかってきた。 「あぁ、……うん、姉さんの事は、こっちも捜してるし、マスコミがやたら騒いで迷惑してるんだよ。 今日も撮影現場に待ち伏せされてさ」 電話の向こうの、潤平の声は、 ちょっと疲れてるみたいだった。 「紅子さん、契約破棄されるようなトラブルあったのかな?」 連続起用していた人気モデルを、 例え人気に陰りが見えてきたとしても、 新商品のキャンペーンが始まって間もなくに切るなんて、よっぽどだと思う。 「姉さんは、 人間関係を作るのが下手だったんだよ」 弟の準平の口から、 私にとって、またまた親近感の湧く言葉が出てきて、 更に紅子のことを知りたくなった。 「それは、スポンサーとかクライアント?上の人間?」 「…………全部、かな。 MIHOちゃん、俺より、姉さんに興味津々だね」 あ 「そ、そんなことないよ」 自分に好意に持ってくれている男の子に対して、どういう話をしていいかもわからない。 「MIHOちゃん、今何してる?」 自分の″ 今 ″ に興味持ってくれる男性に、 どう答えていいかわからない。
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