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「豪遊?すごい表現だな。どんな遊びがそれに当てはまるんだよ?」 薫は、苦笑いを浮かべて、 夜の街を安全運転で走らせる。 「銀座とかで飲み明かすとか、京都で芸者遊びとか……」 「昔の大物俳優とか芸人みたいだな。 俺は 水商売の女には興味ない」 助手席に座って、そとを眺める振りをしながら、 潤平からメールが来てないか携帯電話をコッソリ確認する私。 『……来てないか……』 「速鷹さんは、モデルしか興味ないんですか?」 私のような売り出したばかりの若手から 紅子のようなトップモデルまで…… 少し皮肉めいたことを聞いてみる。 「…………自分の足で歩いていく女が好きなだけだ」 薫は、 私のマンションの前に着くと、 少し険しい顔をして、上階を見ていた。 「お前の部屋の前、誰かいるぞ」
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