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「……″ 悪かった″ ?……ヤンキーとかだったってこと?」
苦笑いしながら頷く潤平は、
そう言われてみると、
「昔いた、ストリートキッズみたいだよね」
「どこにいたんだよ?」
ヤンチャ坊主みたいに見えて、可愛くて抱き締めたくなる。
「ねぇちゃんが有名になり始めたら、やっぱり学校でも俺に嫌がらせする奴いたんだよな。」
「……いるよね、きっと」
高校の、自分を疎ましく見る、同級生達の視線を思い浮かべる。
イジメとは違う、貫く視線……。
「だから、よけいに舐められないように意気がって悪そうにしてたのかも。
タバコとか酒とか、
無免許運転、あと、かつあげみたいなのも…」
「それ、紅子さんの足引っ張るだけじゃないの」
「そ!今 思えばね。
でも姉さんのお陰で女の子にはモテたし、
わりと楽しい過去ばっかだったよ」
「…………そっかぁ」
屈折や挫折を知らない男の子……、
だから、よけいに惹かれるのかな。
「美穂の、初めての年齢は、いつ?」
潤平は、
私の髪と背中を撫でながら、
心の渦を覗こうとする。
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