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「お前の部屋の前、誰かいるぞ」 薫が険しい顔をして、見上げた瞬間、 『潤平……?!』 きっと、そうだと思った。 今のところ私のマンション住所はマスコミや一般人等には漏れていないはずだから。 「あ、ありがとうございました。ここで大丈夫です!」 慌てて車から降りようとする。 「男か?」 「……………………」 私が答えられずにいると、 「反対してるわけじゃないよ」 と、小さく笑い、″ 早く行け″ と、言わんばかりに軽く手を振っている。 「あの……」 降りながら、どうしても聞きたかった事を口に出す。 色んなモデルに出しまくった中でも、 「紅子さんと、お付き合いしてたんですか?」 私の憧れのカリスマモデルは、 薫にとって、どんな位置にいたのか、 業界から追放してしまうほど、 愛憎が渦巻いた 深い、深い仲だったのか……______ 「身体の関係はあったよ。 付き合いの定義はイマイチ分からない」 ____知りたかった…………
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