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「あなたの娘です」 私の望みを砕くかのように、お父さんは首を横に振り続ける。 「いや、……違う」 「何がよ?」 「……俺の娘は、13歳で死んだ」 入れかけコーヒーは、カップの半分のところで小さな波をたて始める。 お父さんが、 私を床に押し倒して、テーブルに身体が接触したからだ。 「お願いだ、 調べさせてくれ」 お父さんは、 私の顔を掴んで、 口の中に指を強引に入れてきた。 「…………!…………」 「粘液か血液か、体液が必要なんだ」 …………″ 13歳で死んだ ″…………? ちがう____ お父さんは無理矢理開けさせた口に 持ってきていた検査キットを押し込んできた。 それは、痛みを感じるような検査じゃないのに、 押さえられた身体のあちこちが痛くて、 苦しくて…… 「すまない、美穂……」 …………悲しい…… 「…………すまない……」 私の心を13歳で殺したのは、 あなたじゃないの________
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