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「他人に渡したくない」
例え、血が繋がっていても、いなくても
『今のお前を壊さない』
たしか、そう言った筈のお父さんが、
「ずっと、あの夜を忘れられなかった」
″ 男 ″ の腕で、私を抱き締めている。
後悔してると、言ったじゃないの……?
「潤……っ!」
私の過去の一部を受け入れてくれた潤平に、
更に寛大な心を求めてしまって……
諦めと、
話してしまった事を後悔する毎日だった。
「どうか、
俺のそばで……夢を叶えて……」
私の気持ちなんか見えてないお父さんは、
唇で私の声を塞いで、
コッコッコッコッ……
と、
遠ざかる潤平の足音が聞こえなくなるまで
私の動きを封じ込めた。
____潤平、……せっかく、
来てくれたのに…………
お父さんを、
殺したい感情が
芽生えてきた。
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