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____お父さんに、キスをされた。
これほどの嫌悪感は、
きっと、一生のなかで、他にない。
「大きくなったな、美穂……」
唇を離した先から、
卑猥で汚れた糸を引く唾と、
「顔も身体も、……胸も本当にキレイになった。」
父親の欠片もない、
欲情むき出しの言葉と表情をさらけ出す男。
そうね……
昔、あなたが抱いた娘は、
まだ、生理も来てなくて、
身体もうんと小さくて、
勿論、胸もわずかにしか突起してなくて、
顔も、
可愛くなかった。
「大人になった美穂を抱いてみたかった」
心では、
声のない悲鳴を上げ続け、
「お前の水着のCMを見たときに、
ホントにテレビを壊したくなったんだ」
身体は、
お父さんの淫らな指と舌を受け入れて、
僅かながら、女として、それに反応してしまう自分がいた。。
「この体を……世の中の男が不躾に、自由になめ回すように見てるとおもったら
悔しくて、独占したくて、たまらなくなった……」
頭の中の、妄想という逃げ道の中で、
お父さんは、
何度も、
死んでいた。
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