闇-2

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____お父さんに、キスをされた。 これほどの嫌悪感は、 きっと、一生のなかで、他にない。 「大きくなったな、美穂……」 唇を離した先から、 卑猥で汚れた糸を引く唾と、 「顔も身体も、……胸も本当にキレイになった。」 父親の欠片もない、 欲情むき出しの言葉と表情をさらけ出す男。 そうね…… 昔、あなたが抱いた娘は、 まだ、生理も来てなくて、 身体もうんと小さくて、 勿論、胸もわずかにしか突起してなくて、 顔も、 可愛くなかった。 「大人になった美穂を抱いてみたかった」 心では、 声のない悲鳴を上げ続け、 「お前の水着のCMを見たときに、 ホントにテレビを壊したくなったんだ」 身体は、 お父さんの淫らな指と舌を受け入れて、 僅かながら、女として、それに反応してしまう自分がいた。。 「この体を……世の中の男が不躾に、自由になめ回すように見てるとおもったら 悔しくて、独占したくて、たまらなくなった……」 頭の中の、妄想という逃げ道の中で、 お父さんは、 何度も、 死んでいた。
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