ジュンペイ-2

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薫の車から降りた私を沖田くんも見ていたのか、 だいぶ良くなった腕で、髪をかきあげながら話しかけてきた。 「……そう。あの人が速鷹さん」 「こんな朝から一緒にいるって、きっと記者ならゴシップとして取り上げるよ」 染めていない茶色い髪が、 朝の日差しでキラキラしててた眩しい。 普通コースの生徒なのに、 まるで芸能人のような沖田くんは、 やっぱり、女子の注目の的だ。 「…………マンションに誰かが張ってて帰れなかったから……」 本音、あんまり学校では一緒に歩きたくない。 「ふぅん。でもあの人事務所の人でもないし不思議な関係だね。 潤平とは会ってるの?」 「…………今日、会うよ」 潤平を好きな沖田くんからすると、 面白くないのかもしれない。 潤平を窮地に追い込んでいるかもしれない薫と、 私が一緒にいること。 「そう。 俺は、潤平にはモデルとして輝いていてほしいから、その妨げになるものが身近にあるなら どうにかしたいって思う」 沖田くんが、わたしに優しかったのは 私が潤平の恋人だから。 「私も、おんなじだよ」 沖田くんの冷たい顔と、 出会ったばかりの頃の薫の顔が、 私の頭のなかで重なって見えた。
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