紅-2

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「 miwiページのMIHOさんね?」 振り返り、彼女の前に立った私を、 白い肌を紅潮させて、緊張を露にする少女は、 とても、キレイだと思った。 「紅子さんに憧れて、この業界に入りました」 モデルとの繋がりを持ってこなかった私に、 嬉しい言葉をかけてくれる。 「男に翻弄されてはダメよ」 初対面の女の子に、なぜこんなこと言ったのか……。 「……………………」 可愛らしく返事に困る彼女を見ていたら、ますます、 薫が惹かれるタイプのモデルだと思ってしまった。 私がいなければ、 「…………紅子の知り合い?」 「いいえ。これから注目の新人モデルよ」 「モデルにしては、グラマーな子だよね、アレ、武器になったり、 逆に足枷になったりしそうだな!」 薫は、あの子と付き合うかもしれない。 「じゃ、そろそろ空港行こうか」 「ええ……」 女の勘 ううん、 本能が私にそう伝えてくる。 山本さんについて行き、 助手の車に乗ってアメリカへ行くはずだった。 「…………あの……こっち 空港じゃないよね?」 闇を持つ人間は、 同じような人間に優しくなるから。
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