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「約束守らなかったわね」
社長婦人が言ってるのは、
____ ″ 薫 ″ のこと。
「……………彼を……自由にしてあげてください」
実の母親なのに、息子を抱くなんて、
普通じゃない。
オカシイ。
「あの子には幸せになって欲しいの。会社を継いで、
男女の間の愛情なんてすぐ終わるんだから、恋愛事は適当に経験して、
私のそばでいい男に成長してくれるのが願いなの、だから、邪魔しないでもらえる?」
「だけど、近親相姦なんてっ……」
隣の車に向かって反論しようとすると、
ガチャ!!
後部座席のドアが開けられた。
「!!」
いつだったか、私を拉致していった男達の再登場に、一気に血の気が下がる。
そして、
その背後に、
「紅子さん」
この間、私を襲おうとした、大塚整形外科医が立っていた。
「……なんで?」
私の腕を引っ張り、車から引きずり出そうとする男達に、
「誰かに見られたらどうするんだ?どきなさい」
やや命令口調で、動きを止めて
「眠ってる間に旅行へ行くのもいいかもね」
代わりに乗り込んできた大塚は、
山本の突然の羽交い締めの手助けをうけながら、
私に
薬をかがせた_____
おそらく睡眠薬だったとおもう。
※(注)実際には、一瞬で人を気絶させられる薬はありません。
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