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私に歪んだ愛を向けてきたお父さん……
それを許せなかった潤平が、
階段から突き落として、記憶を失ってしまったお父さん……
忌まわしい事実だけを忘れてしまっているお父さん……
「…………お父さん……入院中だったでしょ?」
「どうかな?すぐに電話とってきて、
秋葉原の闇オークションに美穂が出されてること、慌てて話したけど」
「………………」
せめて、
事務所の人間なら よかったかな。
二人、暗闇のなか、息を潜めて、助かる可能性を違う尺度でとらえていたけれど、
ガチャン!!
と、
外鍵が開けられる音が、二人ビクつかせる。
その緊張感漂うところに、
「美穂ちゃん、お客さんだよ」
丸は社長の声が侵入してきてしまった。
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