カオルⅡ-2

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私に歪んだ愛を向けてきたお父さん…… それを許せなかった潤平が、 階段から突き落として、記憶を失ってしまったお父さん…… 忌まわしい事実だけを忘れてしまっているお父さん…… 「…………お父さん……入院中だったでしょ?」 「どうかな?すぐに電話とってきて、 秋葉原の闇オークションに美穂が出されてること、慌てて話したけど」 「………………」 せめて、 事務所の人間なら よかったかな。 二人、暗闇のなか、息を潜めて、助かる可能性を違う尺度でとらえていたけれど、 ガチャン!! と、 外鍵が開けられる音が、二人ビクつかせる。 その緊張感漂うところに、 「美穂ちゃん、お客さんだよ」 丸は社長の声が侵入してきてしまった。
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