カオルⅡ-2

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「まさか、こんな事になるなんて思ってないから道具は何一つないんだよね」 SM好きの大塚医師は、私の上着の袖を引っ張り、 コンテナの中を見回している。 「あれ……泣いてるの?まだ、何もしてないのに?」 そして、一瞬、 死ぬことを考えた私の口元を背後から触り、 「君が死んだら香港へいく意味は無くなる。そしたら、お父さんも薫君も 魚のエサになるだけだよ」 それさえも許さない鬼の言葉を私の耳に続けた。 「もし、君が香港で売れなかったら、 生まれ変わったHISEIDOの専属モデルになれるように、目の前の男達に懇願するといい」 紅子を使い、速鷹家を陥れて 薫を裏切った男達の前に、 涙が止まらない私を 乱暴に差し出すように押し付けて、 「ま、綺麗な内蔵があるからそれはないか。 俺は人前でノーマルでヤる趣味はない。 香港着くまで君たちで遊んでてくれよ」 自分はコンテナの入り口でタバコを吸い始めた。 「本当に鬼畜だな、あの人。 ……親の前で娘犯させるか?」 「この間の懇親会では、遊べなかったね、 MIHOちゃん」 躊躇いながらも、 私の身体に触り始める男達____ 「ま……」 ″ 待って ″ そう言いたかった、 私の代わりに、 「待て」 自由に動けない薫が、 こちらに向かって声を発した。 「その子には、何もするな」
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