カオルⅡ-2

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「お父さんは、呼吸してるか?」 薫の声でハッとして、涙を拭いて立ち上がる。 奴らが出ていったコンテナは、 とても広く感じた。 拘束されていない私は、 お父さんと、薫のロープを丁寧にほどいて、 そして、 直ぐにお父さんの胸に耳を当ててみた。 ドクン…… ドクン…… 「うん、お父さん、生きてる……」 私を娘として愛せなかったはずのお父さんが、 こんな姿で、 それは違うのだと、伝えているみたいで、 「…………日本に、ちゃんと帰ってきたい」 確かに動き出した船の揺れを感じながら 後悔ばかりが押し寄せてくる。 「大丈夫だ。俺も何も考えずにここに来たわけじゃない」 また、 涙が止まらなくなった私を 薫が、 優しく抱き締めてきた。 image=485080028.jpg
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