____ 別れ

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「交渉の前に、寄り道するよ」 取引現場の前に、 ある店の前へ車を止めさせた社長は、 「美穂ちゃんは元気だからついてこれるよね?」 一人の男に 車内での 瞳の監視を命じ、 幹部の男にトランクの薬をアタッシュケースに入れさせていた。 後方の車から、 大塚医師達に再び挟まれた薫も降りてきた。 「瞳ちゃんとパパはお留守番ね」 バン!! と勢いよく閉められた車の中を見ると、 「瞳っ!!」 監視を命じられた男が、 早速 瞳に手を出していた。 「や、やめさせて!」 丸は興行社長に向かって叫んでも 「もう少し自分の立場わきまえろ」 他の男に口を押さえられる。 そんな私を、 薫が、静かに首を横に振って、苦しそうな顔をして見ていた。 本当に、 警察は、 来てるの? 「君が探していたものが見つかるかもしれないよ」 繁華街の隅に、 ひっそりと続いていく怪しい道…… そこへ出入りしていくのは、 どう見ても一般人ではない。 本当に 希望はあるの? 「0829持ってきた」 日本語ではない言葉で、一見、飲食店のような建物入り口で言葉を交わす社長。 香港の裏世界では、 売春と薬物に暗号の数字があるらしい。 「大塚、君の好きそうな女が出迎えてくれたよ」
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