____ 別れ-2

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「本当に来たんだ?」 私をお人好し呼ばわりしたのは、 勿論、沖田くん。 「………愛理は?」 暗闇の中で、慣れてきた視界に飛び込んできたのは、 クライミング部員の男の子のそばで、おとなしく座っている愛理だった。 「!」 お酒の匂いがして、 飲まされて酔っている状態だとわかる。 「ここ、喫茶店でしょ?何でお酒があるのよ?」 近寄ろうとした私に、 沖田君が降り下ろした右腕で通路を阻む。 「ここは、あの部員の親がやってる店だから気にしないで、ゆっくりしていきなよ」 「ゆっくりなんかするわけ無いじゃない、愛理に飲ませたの?」 「うるさかったからね、″美穂の邪魔するな″って」 本当にそうだ、 なんで、邪魔するの? 「………愛理を返して」 薫を孤独に陥れて、 私の成功の道を阻むことで、 そこに沖田くんにどんな好転が待っているというの? 「あんな泥酔した子、一人で帰らせるの? 終わるまで、ここで寝かせて待たせてあげたら?」 「………終わるって、なにを?」 分かりたくないのに、 沖田くん、 ううん、 クライミング部の子達の目的がわかってしまって、 香港であんな思いをしたのに、 それでも、 足が震えてきてしまっていた。 「………やっぱり、モデルだけあって、足キレイだね」
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