____ 別れ-2

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「…………なに、お前 汗フェチ?」 抵抗することなく、 抱き締めてきた私の両腕を、そっと掴んだ薫は、 「美穂が昇るのは、トップモデルへの階段だろぉが」 振り返って、 私が首にかけていたタオルで、 「あ」 自分の顔の汗を拭き始めた。 「せっかくヨガで歪みも正された体型なんだ、 無駄なもんつけるなよ? だからお前はウーロン茶で飯くえ。 そうだ、また、エビチリ食うか?」 …………薫も、覚えてるんだね。 出会って始めて二人で口にしたもの。 「中華って太りそうだから、和食でお願いします」 「お、意思だすようになったな」 まだ、HISEIDOの社長でもなくて、 会社を増大させていたであろう、数年前 薫は、あの時、 何を見て、 何を目標にしていたんだろ? 「必ずお前は成功するよ」 あの時の小さな私を こんなところまで引っ張って来てくれたのは、 間違いなく貴方。 ″ 俺が振り返る位、いい女になったら会ってやるよ ″ もう、そろそろ 私を、 女として 見て欲しい。
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