____ 別れ-2-2

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スパイクの底で足を蹴られて、痛みで 思わずしゃがみこむ。 蹴られた場所はもう赤くなっていた。 「………………」 素足で来たのが仇になった。 「沖田お前、何でスパイクなんか持ってるんだよ?」 「中学の時まではサッカー部だったから」 近寄る声に反応して、 離してしまった瓶をもう一度掴もうと、手を伸ばすも……… ガシャン!!と、 それはサッカーポールのように蹴られて、また粉々になっていた。 「………………………」 「あの愛理って子が人を呼ぶのは時間の問題だね」 「おい、だから言ったろ?あの子外に出すなって!警察行かれたらどうすんだよ?」 「俺らは、なんもしてない。ただ、女の子が飲酒していただけ」 「はぁ?!」 「俺らの飲酒は大したことじゃないけど、モデルさんは大変なんじゃない?大事なステージ前に飲酒って、もうそれだけで仕事こなくなるよ」 そう、 沖田くんは、 私に性的な欲求はない。 ただ、 道を阻みたいだけ____ 「烏山さん、イケる口?」 沖田くんは、左手で私の頭を押さえて、 右手でカウンターに置いてあったビール瓶を器用に開けると、 強引に押し込もうとする。 「時間がないんだ、ほら、早く」 ………………私は多分、お酒は強い。 でも、 絶対に飲むわけにはいかない。 歯をくいしばって、飲酒を拒んだ。 「往生際悪いね、ヤラれルよりマシだろうに」 立ち上がった沖田くんは、 怖いほどの冷めた瞳で、私を見つめて、 「ちょっと??!」 上からビールを私にザバザバとかけだした。 「おいっ!沖田!店汚すなよ!?明日父ちゃんに怒られるだろっ??」 髪から絶え間なく落ちてくるビールの泡と滴……… 白いシャツが、 一気に変色している。 「もう、選挙は諦めなって、高峰さんが投票権持った読者にワイロ送って票集めてるらしいし、 行ったところで、こんな汚いあんたには勝ち目はない」 沖田くんは、そんな私を見て嬉しそうにまた、飲酒をすすめた。 「ほら、飲めよ、どうせ一緒に謹慎食らうのは目に見えてるんだ、ばか騒ぎしようぜ」 「………イヤよ」 たとえ、 乾かなくても 「ステージには立つから」 ここで、諦めたら、 潤平や紅子に笑われる____
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