____ 別れ-2-2

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「社長は、自分や会社、MIHOさんの情報を盗んでいく有能なハッカーのことを調べて、逆に 更に上をいくハッカーにその人物の携帯電話やパソコンへ忍び込ませていたわけです」 渋滞を避けて、 裏道を猛スピードで駆け抜けていく眞田さんが運転するBMW。 奇跡的に事故にも遭わずに会場へ着くことが出来た。 「あの倒れていた少年は、薫社長とは深い因縁がありました」 「………………え」 そこまで話して、 眞田さんは、会場裏口へ車を横付けし、 私を支えるように降ろしてくれた。 「歩けますか?」 ″俺は、自分で歩いていく女が好きなだけだ″ 眞田さんの優しい目が、 薫の厳しい、強い目と重なって見える。 「はい」 本番まで、 十五分をきっての会場入りとなった。
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