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「社長は、自分や会社、MIHOさんの情報を盗んでいく有能なハッカーのことを調べて、逆に 更に上をいくハッカーにその人物の携帯電話やパソコンへ忍び込ませていたわけです」
渋滞を避けて、
裏道を猛スピードで駆け抜けていく眞田さんが運転するBMW。
奇跡的に事故にも遭わずに会場へ着くことが出来た。
「あの倒れていた少年は、薫社長とは深い因縁がありました」
「………………え」
そこまで話して、
眞田さんは、会場裏口へ車を横付けし、
私を支えるように降ろしてくれた。
「歩けますか?」
″俺は、自分で歩いていく女が好きなだけだ″
眞田さんの優しい目が、
薫の厳しい、強い目と重なって見える。
「はい」
本番まで、
十五分をきっての会場入りとなった。
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