2 目的

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その頃、生徒会室にて。 「もう転入生に絡んできてるとか、アイツら本当にウザいなー」 「…………」 「そろそろ本格的に潰していいんじゃねーの? 美術部連中なんて」 「……勝手に動くなよ轟」 「わかってるよぉ」 美術部という文字のない、部活動一覧表を眺めて橋本は険しい表情を浮かべる。 それとは対照的に、轟は上機嫌そうにくつくつと笑った。 「今日は会長が休みでよかったなー」 「……ここに居ようが居まいが変わりないよ。 この話は全部報告するし、後の判断は2人に任せる」 「……とか言ってる割には、嫌そうな顔してんじゃん? ふくかいちょーさん」 からかうような口調で紡がれたその言葉に、橋本の眉間のしわがより一層深くなった。 「……別に嫌そうにはしてないけど……」 「そう?」 橋本は、制服の袖に隠れた自らの手首を見詰める。 その瞳からは何の感情も読み取れない。 ただ何か思い詰めているのだということが轟には分かった。 「難しいこと考えなくてよくねー? 生徒会はさぁ、美術部潰せばいいんじゃん。 それが今のところ一番大きい目的なんでしょ」 「…………」 「ま、細かいことは知らねーけど」 返答がないことすら気にせず、轟は言葉を紡ぐことをやめない。 「美術部潰しとか言うと、なんか弱いものイジメしてる気分になっちゃってダメだよなぁー。 ……すっごく愉しくなっちゃうから」
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