3 見学

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なんなの? イケメンでスタイル良くて? しかも後輩からの人望があって? 無敵なの? この荒神先輩とやらは無敵なのかい? 本当に姉貴に教えたら喜んで飛びつきそうな人材だな。 「そや、転入生、もう生徒会連中には会ったやろ? アイツらに案内させときゃええのに」 「え?ああ……そうしようかとも思ったんですけど、会議あるらしくて忙しそうだったんで」 『どうしようかな、聖帰っちゃったから俺が会議出なきゃなんないんだけど、案内役必要だよね。 轟に案内させ……た方が不安だな。 小鳥遊はまだ来ないし……』 そう呟きながら悩む橋本副会長に『いや、一人でも大丈夫なんで』と言ってしまった。 あのままだと轟先輩に案内してもらうことになってそうだったし、それは怖すぎるから丁重に遠慮しておいた。 「忙しそう~? 轟か小鳥遊あたりは常に暇してるやろ」 「そうですけど……わざわざ申し訳ないじゃないですか」 「生徒会なんて遠慮せず使ってええんやで」 襲われかけたんであんまり一緒にいたくないんです、なんて本当のことは言えない……言いたくない……。 っていうか、なんかこの人、生徒会のことよく知ってるみたいな口振りだな。 そういえば、さっき体育館で会長とかどうとか言われてたっけ。 もしかして生徒会長? この人が生徒会長だって言われたら普通に納得できるけどな。 そう思いながらふと視線を足元に向けると、学校指定の運動靴を履いた先輩の足が目に入った。 運動靴のラインが赤、ってことはつまり3年生。 生徒会長は有り得ない、か? 「俺はちょーっと前まで生徒会長やったで?」 「ぅ、えっ?!」 「全部顔に出てんねん、転入生」 声に出さずに考えていたことにいきなり答えられて狼狽える俺に、「6月までやったからつい最近やなぁ」と笑う荒神先輩。 なんか、アレだ。 この人強い……。 本能的にそう悟らずにはいられなかった。 「弓道場はアレの建物やで、けどアポ無しで部外者入れんかったんちゃうかな? 部長と知り合いやし、聞いてきたるわ」 「……ハイ……」 なんとありがたい気遣い……ご足労かけます。
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