6 朝食

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そして寮の1階、食堂。 真新しい自動ドアを通れば、空腹を煽る美味しそうな香りが鼻をくすぐった。 テーブルに置かれた朝食を頬張る生徒がちらほらと目につく。 想像していたよりは広くないな、この食堂。 いや……金持ち私立の学校っていうとどうしてもすごい内装とか想像しちゃってただけで、普通の高校の寮だと考えれば十分広いか。 掃除も行き届いてて綺麗だし。 っていうか、食堂なんだからメインは料理だ。 朝はさっぱり和食がいいな……! 多分定食とかあるよね! と、ウキウキしていたのも束の間。 「おはよー恋斗、と……なんだっけ、転入生くん」 背後から聞こえてきた締まりのない声に、俺のテンションは墜落寸前にまで急降下した。 この声、絶対轟先輩でしょ。 もう覚えましたよ俺。 できることなら振り返りたくない……関わりたくない……けどこの人生徒会だもんな……! 「きょーちゃんおはよ!」 振り返るのを躊躇う俺をよそに、小鳥遊くんは心底嬉しそうな笑顔で振り向いた。 そのせいで腕を掴まれてる俺まで轟先輩と対面するはめに。 朝だからだろうか、眠そうで不機嫌そうな顔の轟先輩。 髪の毛が……紫色に染められた前髪も寝癖でふわふわ揺れている。  
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