夢と"いつか"

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「建物マニア?」 ちょっとからかってみた。 「まぁ、建設業だから。 設計は出来ないけど、いつかこんなスゲェの建てたいし!」 建設業… ヤなカンジ… 「…ヤンキー定番の職業だね」 「… あぁ、うん」 アタシの嫌味のせいか、沈黙… 仕事をバカにしたワケじゃない。 むしろ、アタシのがバカにされる仕事だ。 ただ… 「夕月は? なんか夢ある?」 沈黙をやぶって、優しく問いかけるナオ。 … 優しーじゃん… 「夢か… そんなんがあれば、まだマシだったかも」 ふと、若菜さんの事を思い出した。 若菜さんってゆーのは、アタシが入店した時の先輩ソープ嬢。 モモと違って、アタシは入店した時から やさぐれてた。 そんなアタシに、若菜さんは親切だった。 その時はウザいって思ってたけど… 今思えば… 若菜さんの優しさで、慣れない頃を乗り越えられた気がする。
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