第一話

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「神の力を宿りし精霊よ…我が名のもとに…フェルド…!!」 ーが…… 呪文を唱えるも何も現れる気配がない。 「あー…またダメだ…」 初めてにフェルドを召喚してから数日経っているのだが あれっきり一度もフェルドを召喚出来ていない。 「集中力が足りないのかな…」 依頼所に行って依頼を受けたいところだが フェルドを安定して召喚出来ないと行っても意味がない。 「もう一度…」 スゥッと深呼吸をする。 鍵を握りスッと腕を伸ばす。 意識を集中させて… フェルドの事を思い浮かべる… もう一度会いたい…! 「神の力を宿りし精霊よ…我が名のもとに…フェルドッ…!!」 右に手を捻り鍵を開ける仕草をする。 ーカチャッ…! ーゴオオォォォ!! あの時のように凄まじい火柱が現れた。 「やったぁ…!!」 『そんなに喜んでくれちゃって嬉しいなぁ…』 「フェルドさん…!!」 やっと召喚出来た…! 『俺も、お嬢ちゃんが召喚してくれるのをずっと待ってたよ。』 フッと優しい笑みを浮かべるフェルド。 「ごめんなさい、なかなか力が安定しなくて…」 『仕方ないさ、でも…初めて召喚してから短期間でまた俺を呼べたんだ。上出来だよ』 ぽんぽんっと優しく頭を撫でられる。 「……っ、はい…」 フェルドに優しく頭を撫でられて 思わず顔が赤くなる。 『悪い、つい無意識に…』 顔を上げるとフェルドもうっすら赤くなっていた。 「いえ…それよりこれからどうすればいいんでしょうか…」 まだすんなり召喚出来ない以上まだ依頼は受けれない。 『そうだな…慣れて感覚さえつかめれば呪文を唱えなくても、名前を呼ぶだけで召喚出来るようになるからな』 「名前を呼ぶだけで…」 私も頑張らないと… 『お嬢ちゃんなら出来るよ、そうだ…練習したいならいい場所があるぞ??』 フェルドは思い出したように にっこりと笑った。
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