プロローグ

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「やっぱりいいな~」 天気の良い昼下がり、大樹にもたれながら 一人の女の子が”精霊図鑑"と書かれた本を見ながら呟いた。 彼女の名前はリン。 長い栗色の髪。 くりっとした大きな瞳。 透き通るような白い肌、薄く色づいた桃色の唇。 俗に言う美少女というやつで… リンは鍵の召喚士(キーマン)になるのを夢見て毎日飽きずにこの図鑑を見ているのだ。 鍵の召喚士とは今誰もが憧れている超人気の職業。 鍵の召喚士は精霊と契約を結び 様々な依頼を共にこなして行く。 契約と言ってもそう簡単ではなく 中には契約が上手くいかずそのまま鍵の召喚士になれなかった者も少なくない。 精霊にもちゃんと人格があるので 好みや相性が合わなかったら 精霊の本来の力が出なかったりと結構大変だったりするのだ。 鍵の召喚士になるためには鍵の召喚士の門(キーマンゲート)という特殊な門に入る必要がある。 噂によると鍵の召喚士の門に入ってまず最初の鍵を貰うらしいのだが あくまで噂なのでどうやってその門に入れるかは詳しくわかってない。 誰でも門に入れるわけでもなく 一度、門が存在するか調べた人も居るらしいが結局、そんな門は何処にも存在していなかった。 けれどやっぱり鍵の召喚士は徐々に増えていってる事から 可能性がある人だけにその門が現れるとかおかしな話になったりとかもしてる。 まぁ、精霊が居る時点でそんな事が起こっても全然不思議じゃないんだけどね。 鍵の召喚士の仕事は"依頼所”に行って依頼を受けること。 主に人に悪さをする精霊やモンスターを退治したりして精霊と一緒に戦うのが仕事なんだけど依頼の成功件数が多いと次からは更に難しい依頼が来たりする。 中には危険な仕事もあるから 受けるかどうか真剣に考えなきゃいけないものもある。 常に鍵の召喚士は死と隣り合わせだったりする。 リンは本をペラペラとめくって行き あるページでピタッと手を止めた。 「やっぱり会って見たいなぁ…伝説の炎の魔神…」 精霊にも色々種類があって 人それぞれ呼べる精霊が違ったりするの。 やっぱり初めて召喚した精霊が火属性だったら どうしても火属性が召喚するのが得意になっちゃったりするんだよね。
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