プロローグ

8/9
前へ
/12ページ
次へ
ーパアアァァァッ!! リンが真ん中に立つと陣が眩い光を放った。 「……っ!!」 なんだろう…この感じ… 初めて召喚するのに 頭の中に呪文が流れてくる… 「神の力を宿りし精霊よ…我が名のもとに…サモンズッ…!!」 リンがそう唱えると… ーゴオオォォォッ!! と凄まじい火柱が現れた。 「熱っ……!!」 あまりの熱さに顔を覆い目を閉じる。 『おぉ…!!久しぶりだなぁ、この感じ…!!人間界か…!!』 低いけど覇気のある声が辺りに響いた。 「……っ」 恐る恐る目を開ける。 『おっ!もしかしてお嬢ちゃんが俺を喚んでくれたのかっ!?』 「……ッ!?」 目の前にいる精霊に息が止まりそうになった。 焦げ茶色の少し癖がついた髪。 左目は前髪で隠されているが 右目はたれ目の優しい茶色い瞳… 短い無精髭を生やした大人の男性… 「炎の魔神…イフリート…」 間違えるはずがない。 憧れて毎日、何度も何度も図鑑を眺めた。 『もう何百年も喚ばれてないから、俺の事知ってるなんて嬉しいなぁ。』 「本当にイフリートさん…??」 『うん、そうだよ。』 そう言ってにっこり微笑んだ。 「いやぁ、素質はあると思っていましがここまでとは思いませんでしたね」 先ほどまで様子を見ていた男がスッとリンの横にきた。 『…??』 「もしかしたら…これから何か起こるのかもしれませんね。先ほど貴女が襲われた怪物といい、嫌な予感がします。」 男は顎に手を当ててうーんと考える。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加