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ーパアアァァァッ!!
リンが真ん中に立つと陣が眩い光を放った。
「……っ!!」
なんだろう…この感じ…
初めて召喚するのに
頭の中に呪文が流れてくる…
「神の力を宿りし精霊よ…我が名のもとに…サモンズッ…!!」
リンがそう唱えると…
ーゴオオォォォッ!!
と凄まじい火柱が現れた。
「熱っ……!!」
あまりの熱さに顔を覆い目を閉じる。
『おぉ…!!久しぶりだなぁ、この感じ…!!人間界か…!!』
低いけど覇気のある声が辺りに響いた。
「……っ」
恐る恐る目を開ける。
『おっ!もしかしてお嬢ちゃんが俺を喚んでくれたのかっ!?』
「……ッ!?」
目の前にいる精霊に息が止まりそうになった。
焦げ茶色の少し癖がついた髪。
左目は前髪で隠されているが
右目はたれ目の優しい茶色い瞳…
短い無精髭を生やした大人の男性…
「炎の魔神…イフリート…」
間違えるはずがない。
憧れて毎日、何度も何度も図鑑を眺めた。
『もう何百年も喚ばれてないから、俺の事知ってるなんて嬉しいなぁ。』
「本当にイフリートさん…??」
『うん、そうだよ。』
そう言ってにっこり微笑んだ。
「いやぁ、素質はあると思っていましがここまでとは思いませんでしたね」
先ほどまで様子を見ていた男がスッとリンの横にきた。
『…??』
「もしかしたら…これから何か起こるのかもしれませんね。先ほど貴女が襲われた怪物といい、嫌な予感がします。」
男は顎に手を当ててうーんと考える。
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