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「部屋で待っていてくれれば良かったのに…
どれだけ此処に居たのです?
こんなに桜を纏わせて…貴女はいつまで経っても童の様なのですから…」
そう言いながら、髪に付いた幾つもの花弁を外してやる。
「だって、今夜は余りにも月が美しかったから…」
プクゥっと頬を膨らませ拗ねる姿が 可愛らし過ぎて、思わず緩みそうになる顔に力を込める。
「だからと言って、この様な所で眠ってしまうなど……こんなに身体が冷えてるじゃありませんか。」
ソッと手を取り、その冷たさを確かめる様に頬に当てる。
本当に…どれ程居たら、此処まで冷たくなるのか。
氷の様に冷たくなった手を引き、小さな身体全体を温める様に抱き締める。
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