軌跡の爪痕

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お迎えは、祖父か、祖母のどちらか。 居残りに憧れ、迎えに来ていても帰らなかったり、帰る時間になったら迎えに来ていなくても、一人で帰ったりしていた。 それがいつまでも続く訳もなく、ついには見つかって、もう一人では帰れなくなった。 プールは小学校のプールに行った。 ある日、持ってきていたはずの水着がなくなった。 結局その日私は、プールには入れなかった。 その後に私の水着が戻ってきた。 先生が勝手に、私の水着を水着を忘れた年長さんの子に貸していたのだ。 子供心に、納得いかなかったが保育園児の私には何も言い返せなかった。 そのせいで私は、入れなかった。 だけど謝られた記憶はない。 「これで次入れるね」 だけだった。 何故、私の水着だったのか?借りに来る先生もおかしいし、貸す先生もおかしいし。 もう少し子供の気持ちってものを考えてほしかった。 ちゃんと祖母が洗濯して持たせてくれたのに、持ってきたはずの水着がなくなれば誰だって心配する。 一言くらい声かけがあっても良かったのではないかと思う。
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