こたつ

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……何このこたつ、気味が悪い。 唯一の暖房器具といえる、 こたつを手放すのは痛いが……一時も、 ここに置いておきたくない。 俺はこたつを布団共々、ゴミ置き場へと出した。 「なー、おまえんち、こたつもないの? 寒いって」 「耐えろ。 こたつなんてない方がいいんだ。 ほら、これ資料」 「サンキュー」   資料を借りに来た高森がぶつぶつ文句を言うが、あの件以来、 軽くこたつ恐怖症の俺からすれば、 二度とこたつなど買う気は無い。 「こたつといえばさー。 俺、この間ゴミ置き場で拾ったぞー。 うちも暖房器具が無かったから、助かったー」 「……それって、いつの話だ?」 「んー、四、五日前」   ……ちょうど俺が、こたつを捨てた頃。
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