こたつ

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ちょうど、 さっきまで人が座っていた感じに開いた、 こたつ布団の隙間をのぞくと……誰かが、 にたりと笑った。 「ひぃーっ!」   情けない悲鳴を上げて、這うように部屋を出る。 振り向くこともせず、俺は一目散に逃げ出した。   ……結局。 高森の行方は誰にもわからず、 ストレスからの発作的な失踪、 ということになった。 もっとも、 誰も高森にそんなストレスがあったなんて、 信じてなかったが。 その後、 両親が部屋を掃除して引き払ったらしい。 あのこたつの行方は……わからない。 【終】
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