第1章

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マグロ: 今日の目玉は誰だ? サバ: 昨日は俺達! サンマ: 今日は俺達!「一匹50円!100匹限り!」店長言ってた シャケ: それじゃ今日も大変だ ヒラメ: 私達には関係ないわ タイ: そ~だな、混むのはいつもそっちだしな ウナギ: 馬鹿だな~!お前達、それだけ人気が無いって事だろ? ヒラメ: 違うわ!私達には手が出せないだけなのが分からない? サンマ: あ~悪かったな、俺達はお前達と違って出来が悪いぜ!でも、情ってもんは負けないつもりだ! マグロ: 良い事言うじゃないか!そうだ、俺達は庶民の味方だ! ヒラメ: …言ってなさいよ サバ: さ、10時開店だ 来た~!おばさん達が流れ込んで来た~! シャケ: 健闘を祈る サンマ: おばさん、落ち着け!苦しい! おい、投げるな!俺を選んだんだろ? ったく、隣に少~し大きいのがいたからって サバ: サンマの気持ち、分かる 昨日の俺達を見ているようだ ヒラメ: 恐ろしい ウナギ: 100匹を逃した客がこっち来るぞ ヒラメ: ギャ~!私の事、じっと見てる! やめて!そんなに触らないで! うっ、うえっ、何すんの! 私の体を指であちこち散々押しておいて、最期は乱暴に落として行って …なんて人! あんたになんて誰が買って貰うか! こっちからお断りよ タイ: カッカすんな ただ見栄を張ってお前を持ち上げただけだ あの人は買わないよ、お前の事 サバ: あのさ、さっきから気になるおばさんがいてさ、切り落としコーナーから全く動かないんだ マグロ: あのおばさん、よく俺の仲間の切り落としを買って行くぞ 安い!旨い!栄養タップリ!って知ってくれているんだよな ただ者じゃない タイ: そういえば、俺達の頭もよく買うよ 味噌汁や甘露煮にしても旨いって ウナギ: 見た目で判断するな!って事だ キレイにパックされて並んでいるのも確かにいいが、客に手に取られないような品にも、旨くて栄養価の高い所もあるんだって シャケ:人間の世界でも同じように言える事だ! サバ: ほら、セレブ風のあのおばさん、試食コーナーから動かないよ 試食を食べ尽くし、何も買わずにまた次の試食を探している タイ: ウォーッ! ヒラメ: ギョエーッ! マグロ: これにてフィッシュ!…いや、フィニッシュだ! ウナギ: お前達、下痢した事無いだろ? マグロ: うん、毎日快調!何で? ウナギ: くだらない……
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