十・七 ・ 年 ・ 後

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この国の人間ならばタチバナといったらこの世界で最強とされる男ユウキ=タチバナを思い浮かべるであろう。 ここ最近での歴史に名を刻んだ英雄の一人で元三国の一つ、「アーシア帝国」の軍隊筆頭。まぁオレが産まれたのもこの帝国で、帝国といっても軍事国家で特別上の方が規律が厳しい位で感覚的には日本と変わりはなかったな。「帝国の人間は常に強くあれ」がモットーに日々鍛練に努め、己の豊かに繋げろー。って感じ。 ユウキ=タチバナが転生してから若干その考えも柔らかくなって、国が統一された今となっては少し堅い人間くらいにしか思われてない。 ユウキ=タチバナは戦争が終わってからは軍隊から身を引いてどこかで喉かに暮らしているとかなんとか。 「あなたも黒髪なんですね!顔立ちもどことなく父に似てます。もしかしてどこかの英雄の息子さんですか?」 「いや、オレはそんなんじゃないよ。魔力も多くないし、しがない小市民ってやつさ」 するとタチバナ娘の隣に座っていたパッキンくんが口を開いた。 「元気そうだな旅立ちのパシりくん。今回同じチームみたいだが…精々足を引っ張らないようにとっとと辞退するんだな」 「おー。誰かと思えばぼんぼんのパッキン君じゃないか。今日は学校も休みだろうにお勤めご苦労様」
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