卒璽―suddenly―

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(確かに言い過ぎたとは思ってる …簡単に別れを口にした事にも後悔してる それでも…コレはないでしょ、普通は) 頭を抱える若葉の前には、アルバムを手にする高校生らしき少年がいる 人物を特定する事は出来ないと思ったのだが、何処か見覚えのある顔に、慶喜の高校時代の卒業アルバムを開くと そこには今まさに目の前にいる少年と瓜二つの慶喜の写真が記されていた (つまり、何…? 別れを切り出されたショックで若返った? …んな馬鹿な) 憶測を辿る若葉に、高校生の慶喜はフーンと軽く頷いて彼女に振り返った 彼が手に持つのは若葉と出会ってからの慶喜の写真である 未来の人物を見つめる慶喜は、少し現実味を感じたのか楽しげに笑った 「確かにこれは俺だな 良い男に成長したもんだ」 無邪気に笑う姿は、少年の言う通り確かに慶喜である それでも順応が良すぎる少年に呆れていると、途端に慶喜は若葉を見つめて含み笑いを浮かべた 「…何」 「いやぁ、俺の趣味も変わったんだな、って 今の俺なら絶っ対ぇこんなババア好きにならねぇし」 「…うっせぇ、クソガキ」 「口も悪ぃー!!」 「私だってあんたみたいなガキ好きにならないし」 「でも俺と同棲してんだろ?」 「未来の慶喜と、だから あんたじゃない」 「いやいや、俺だろ」 子供特有の大人を馬鹿にした態度に、若葉は苛立ちを露に長い溜め息を吐いた そして時計に目を遣り、この先の事を考え悩む .
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